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お知らせ

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児童手当制度見直しへ、高所得者への影響

2021.7.19
専務の福井です。
児童手当制度が2022年10月から変更になる予定です。
まず、児童手当は、子ども・子育て支援の適切な実施を図るため、父母その他の保護者が子育てについての第一義的責任を有するという基本的認識の下に、家庭等における生活の安定に寄与するとともに、次代の社会を担う児童の健やかな成長に資することを目的にしており、0歳から中学校卒業までの児童を養育している方に支給されます。
次に現在の支給額です。3歳未満は一律15,000円、3歳以上小学校終了前は10,000円(第3子以降は15,000円)、中学生は10,000円となっています。児童を養育している方の所得が所得制限限度額以上の場合には、特例給付となり月額一律5,000円の支給となります。
5月21日の参議院本会議で一部の高所得世帯への児童手当を廃止する改正児童手当関連法が可決、成立しました。2022年10月から世帯主の年収が1,200万円以上の場合給付が廃止されます。手当が出なくなる子供の数は約61万人(全体の約4%)、年間で370億円の資金が浮き、この資金を保育所整備など待機児童対策に充てていくということです。
では、年収1,200万円以上世帯への影響を計算してみましょう。
今まで支給されていた月5千円が廃止になりますから、年間6万円、15年間で90万円もらえなくなります。子供1人当たり90万円ですから、私なら結構大きい印象です。そのお金を資産運用に充てていたと考えると、年間6万円を15年間で年率5%で運用できたと仮定すると約136万円になります。やはり影響は大きいですね。
また、児童手当が拡充されたタイミングで所得税では平成23年、住民税では平成24年に年少扶養控除が廃止されています。当時は子ども手当と呼ばれていましたが、日本の累進課税制度だと年少扶養控除が一律だと高所得者に有利になるため、定額の手当に置き換えるという趣旨でした。年少扶養控除の廃止は、あくまで子ども手当を受取る前提でだったのですが、政権交代により、「子ども手当」が「児童手当」になり所得制限が設けられ、さらに特例給付の廃止によって、年収1,200万円以上の高所得者は「扶養控除も児童手当もない」となってしまいます。特例給付の廃止と年少扶養控除の廃止での税負担増を計算しますと、概算ですが子ども1人当たり約300万円のマイナスとなります。高所得者であってもこの負担増は大きいものです。
そもそもの児童手当の目的や制度も書かせていただきましたが、みなさんはどう考えられますか?