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【2021年9月版】株価に影響する経済指標を振り返って

2021.9.13
アンジンの柏木です。
8月26日日本の株全体の時価総額6兆8600億ドルに対しGAFA(親会社のアルファベット含むグーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン・ドット・コム)の4社の合計の時価総額7兆500億ドルに逆転されたというニュースが流れました。
そんな世界の6割の時価総額があるアメリカについて前回から9月現在までの1ヶ月半の経済状況を振り返ってみようと思います。

アメリカの重要経済指標
8月6日(金)発表「非農業部門雇用者数変化 前月比」前回85万人、予想87万人、結果94.3万人
8月6日(金)発表「失業率」前回5.9%、予想5.7%、結果5.4%
8月11日(水)発表「消費者物価指数(CPI)前年同月比」前回5.4%、予想5.3%、結果5.4%
8月24日(火)発表「新築住宅販売件数 年率換算件数」前回67.6万件、予想70.0万件、結果70.8万件

9月3日(金)発表「非農業部門雇用者数変化 前月比」前回94.3万人、予想75万人、結果23.5万人
9月3日(金)発表「失業率」前回5.4%、予想5.2%、結果5.4%

雇用に関する非農業部門雇用者では7月は予想を上回りましたが、8月予想に対して大幅に減少しました。
失業率は前回6%台から5%後半へと徐々に減少している状況とお伝えしてから、さらに5%台中盤で増減しています。
これは新型コロナウイルスのデルタ型変異株の感染拡大が響いていると思われます。
景気の先行指標である新築住宅販売件数は3月の102.1万件から6月の67.6万件まで毎月下落していましたが、7月予想を上回る結果から、2019年のコロナ前の水準になっており、コロナによる一時的な販売増加が落ち着いてきたのかなという様相となっています。
インフレについてFOMC(連邦公開市場委員会)のパウエル議長は
「生産のボトルネックなど供給面の制約で生産が限定されている業種で強い需要が見られ、それが一部の財とサービスに特に急速な物価上昇をもたらしている。だがそうした物価上昇は、ボトルネックの影響が解消されるのに伴い一部反転するだろう」と指摘。
今後は労働市場への労働者の参加率が増え、雇用のミスマッチの解消など供給サイドでの安定が図れれば消費者物価指数は落ち着くであろう見通しを持っているということです。
ただ、現在5%台で高止まりしつつあるインフレ率はしばらく続く可能性があります。

8月27日米年次経済シンポジウム(ジャクソンホール会議)でパウエル議長は経済見通しについて講演しました。
「経済が予想どおり進展した場合、年内に資産購入ペースの縮小を始めるのが適当というのが私の考えだ」
これまでの既定路線に則った内容から、2013年のバーナンキショックの同じ轍を踏まない慎重な姿勢が伺えます。

株式市場関係者はFRB(連邦準備理事会)はいつテーパリングつまり量的緩和策の資産購入縮小の時期や規模について注目しています。
テーパリングの時期で重要なのはコロナで失業者が多かったサービス業において、その労働者がまた戻ってくることなのですが、順調に見えた非農業部門雇用者数の予想を大幅に下回る結果に、テーパリングの発表時期として9月のFOMCではないだろうという公算から株式市場は値上がりしました。

いつかはテーパリングについて発表していかないといけない状況に予想外の結果となった今回。
今後市場とどのように対話していくのか、より一層の慎重な対話が求められるFRBに、これからも注視していく必要があります。