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岸田新総裁に期待

2021.9.30
自民党は29日投開票の総裁選で岸田文雄氏を選出しました。先月の横浜市長選挙の直後には菅政権の雲行きが怪しくなり、菅総理が総裁選に出馬するも負けて、次の総裁総理は岸田さんになるだろうなと予測していました。その後、まさか菅総裁が総裁選に出馬しないことで立候補者が正式に決まらない間は混沌とした状況でしたが、どの候補も1回目では過半数は難しいと予測していましたので、派閥等の力学で岸田新総裁になることを予測をしておりました。ただ驚いたのは、1回目の投票で河野さん1位、岸田さん2位、高市さん3位、野田さん4位ではなく、1票差とはいえ1位が岸田さんだったことと、国会議員票で河野さんは86票の3位であったことです。フルスペックの選挙で強い勝ち方をした岸田さんは文句なしの当選で、これから始まる自民党や組閣では岸田さん主導の強い人事ができそうです。

岸田派の宏池会では岸田さんと同郷の広島の宮澤喜一総理以来の約30年ぶりで5人目の総理大臣の排出になります。また、1990年以降に総理大臣を排出している派閥は、いわゆるハト派からタカ派の並び順で宏池会(岸田派) 経世会(竹下派)、無所属、清和会(細田派)となりますが、ここしばらくの間は森さん、小泉さん、福田さん、安倍さんのように清和会が多くの総理大臣を排出し、また長い期間の政権の中枢でしたが、橋本さん、小渕さん以来の約20年ぶりにセンターレフトの政権になります。まさに時代が求めているかのように主要国は昨年から左派の政党が政権を担っています。アメリカも民主党が、つい先日のドイツの総選挙でも社会民主党が第一党になりました。ちなみに次の総理総裁は高市さんと予測しておきます。

さて、約3週間に渡る自民党総裁選を振り返りますと、メディアでは河野さん優勢は伝えられておりましたが、討論会で徐々に河野さんの年金やエネルギー政策についてのトーンダウンがみえてきました。極めつけは司会者や記者、それに他の候補者とのやり取りでや受け答えで人間性が垣間見え、化けの皮といいますか、メッキが剥がれていきました。一方では、高市さんの一貫した姿勢や受け答えの安定感や華やかさにより急速に追い上げてこられました。野田さんは子どもや社会的弱者など他の候補者とは違う視点があり、実際の投票数でも数字が伸びました。岸田さんの勝因は、いち早く立候補を表明され、二階さんをイメージさせる党内改革を示され、覚悟や緊張感、安定感、バランス感、調整力、人柄が垣間見えてきました。差し迫っている衆議院選挙の顔として、河野さんでは危なっかしいというイメージが先行しました。党内融和が図れて、改革より安定をということで岸田さんになったと分析しています。岸田新総裁が決まった後の他の3人の候補者や菅総理について。菅総理総裁は安堵のような穏やかで最後の挨拶では力強いお言葉でありました。野田さんのチャーミングな笑顔、高市さんの清々しくて潔い受け答えや表情が見えてきました。気になったのは河野さんと記者とのやり取りです。決起集会で90名以上集まったが1回目の議員票が86票になった理由などを記者から聞かれた際に、記者や国民が聞きたいことを答えてくれない冷たくて逃げる回答を聞いて、残念な気持ちになりました。と同時に河野さんが外務大臣時代に記者の質問を無視して「次の質問どうぞ」を連発されたことを思い出しました。それでは河野さんは総理総裁の器ではないと感じてしまいます。がしかし、発信力がある河野さんの今後に期待したいと思います。

さて、来週の臨時国会を経て岸田新総理になります。外務大臣の期間が長く、国際的な知名度の高い岸田さんですので、安倍さんのように外交は得意だと思います。お酒も相当強いようですし。また、東大生を多く排出する開成高校の出身で、聞く耳を持つと言われている岸田さんなら官僚と上手くやっていけると思います。田中角栄さんのように官僚をうまく使えることが出来ると期待しています。

最後に、岸田政権では迫っている衆院選と来年7月の参院選に勝つことで、その後は当面大きな選挙は無く、1年以内の2つの国政選挙で勝つことで長期政権になる可能性はあります。今後の岸田政権はコロナ対応は当然のこと、経済政策と安全保障が重要です。特に岸田さんがおっしゃる、令和版所得倍増、成長と分配の好循環に期待しています。

それにしても自民党は凄まじい政党です。総裁選挙というイベントを実施し、約3週間に亘りメディアをジャックし、多くの国民を虜にしました。総裁選挙は下がった政党支持率を上げる装置なのですね。日本のためにも野党にはもっと頑張っていただきたいものです。