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ロシアのウクライナ侵攻が与える企業や家計への影響

2022.3.3
今週のブログは、「ロシアのウクライナ侵攻」を避けることができません。刻々と情勢が変わっていくことを、様々なメディアが報道しております。企業の経営において、また個人では家計や資産運用への影響について考察をしてみたいと思います。

考えられるのは、原材料や部品の調達・製造・在庫管理・配送・販売の一連のサプライチェーン、景気と消費者マインド、そして中央銀行の金融政策と金利の影響です。
ロシアは天然資源が豊富であり、ヨーロッパはロシアからウクライナ経由のパイプラインによる天然ガスにエネルギー需要をかなり依存しています。2月24日にロシア軍がウクライナに侵攻し、ヨーロッパのガス不足懸念で天然ガス指標のオランダTTFは1日で6割も急騰しました。さらに、ロシアは世界第3位の石油の産出国です。アメリカWTI原油先物とイギリス北海ブレント先物は一時1バレル100ドル台まで急上昇しました。ただし、この直後に意外なことが起きています。ロシアからウクライナを経由するパイプラインでヨーロッパに送るガスの量が急増したことです。それにより、ヨーロッパのガス価格は急騰した後に下がったのです。ロシア軍はパイプラインや電力網などのインフラは攻撃をせず、現在でも平常運転されているとのことです。プーチンはヨーロッパに対して、敵に塩を送る、まさに敵にガスを送る戦略をとっています。とはいっても、天然ガスや原油の供給懸念から相場が上がることは避けられないと考えます。 特に運送業は燃料費の上昇により運送コストの値上がりや何らかの物流への影響が想定されます。運送業は、ウクライナ問題が長引くと経営への圧迫は避けられません。また、多くの企業、個人も運送業との関りがあり、何らかの影響が出てくると思われます。
家計においてはガソリン価格の上昇は可処分所得を減らすことにつながります。消費者マインドに対するマイナスの影響が、消費を冷え込ませることになると考えられます。

そして金融、金利に与える影響です。以前からアメリカの消費者物価の上昇は著しく、今回のガソリン価格の上昇は、アメリカの消費者物価の上昇をさらに加速させることになります。賃金の伸びよりも消費者物価が上がることは、実質的に賃金の下落を意味し、バイデン政権への不満にさらに拍車をかけ、支持率の低下は避けられないでしょう。そして、金融の引き締めが加速された場合、アメリカの政策金利の上昇が加速され、日米の金利差と金融政策の差がさらに広がります。今の経済状況の中で日銀が金融引き締めを行う事だけはやめていただきたい。ただでさえ低金利で今後は徐々に金利が上がっていくことが想定されますが、とはいっても他国との金融政策の差は金利への影響が出てくることも想定しておく必要が大いにあります。よって、今後資金需要があると考えられる企業に限っては、低い金利である今のうちに、固定金利で資金調達をすることを選択肢に入れる必要性があるかもしれません。

いずれにせよ、有事や下振れリスクを考慮しながら、毎日続いていく企業経営や個人としての生活のためにも、事前に出来ることはすべてやるということをしていただきたいです。