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世界インフレの謎

2023.2.20
アンジンの柏木です。
東京大学の経済学の教授、渡辺努さんによる著書「世界インフレの謎」をご存じでしょうか?
アマゾンで1位を獲得したベストセラーで、なぜインフレが起きているのかについて書かれた一冊です。

ウクライナ戦争による小麦や原油、天然ガスの高騰で、原材料価格が上がり、そのためインフレが起きたと多くの方は思われたのではないでしょうか。
実は主な原因は戦争以前からありました。
新型コロナウイルスによるパンデミックだとこの本は説いています。
主に以下の3つが世界で同時に起きた事によるものだということです。

①消費者の行動変容
パンデミックにより対面型サービスからモノ消費にトレンドが反転
つまり、モノの需要が伸びたためモノの価格上昇

②労働者の行動変容
労働者は一時的に退職や休職を余儀なくされ、いずれ労働市場に戻ってくると思われたが、
給付金や退職金もあり早めのリタイアをするなど労働者が社会に戻ってこない労働者不足。
つまり、労働者が不足し供給不足による価格上昇

③脱グローバル化
ロックダウンなどで供給網が断ち切られ、米中対立などによる安全と安心への移行が図られることによる供給不足。
つまり、他国からのモノが不足し供給不足による価格上昇

価格は需要と供給で成り立ちますが、今回のインフレは供給不足によるもの。
これは非常にやっかいです。
需要が旺盛になり景気が過熱することによるインフレは冷や水をかけることで抑えることができるのですが、
供給不足によるインフレを解決するためには時間がかかるわけです。
ですのですぐには収まりませんし、一度上がったモノの値段は下がりません。

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