アンジン株式会社

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お知らせ

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年収の壁

2023.7.24
篤田です。
総務省が7/21に発表した2022年就労構造基本調査によると25歳~39歳の女性の内、働く人の割合が81.5%と初めて8割を超えたそうです。
共働き世帯の増加も踏まえ、育児との両立可能な働く時間や「年収の壁」を意識して収入の調整している方も沢山いると思います。
女性の労働参加で生産年齢人口の減少を補っている面もあります。それだけ女性の労働参加は重要なポイントとも言えると思います。
ですから「年収の壁」を正しく理解し現在の手取り収入だけでなく、将来の老齢年金やそれ以外の保障についても確認してみましょう。

年収の壁=税金や社会保険の負担が発生する区分

100万円の壁・・・住民税
103万円の壁・・・住民税+所得税
106万円の壁・・・住民税+所得税+社会保険料(従業員101人以上の企業)
130万円の壁・・・住民税+所得税+社会保険料(従業員100人以下の企業)
150万円の壁・・・住民税+所得税+社会保険料+配偶者特別控除の減少

社会保険の106万円の壁や130万円を超えてしまった場合には、社会保険料をいくら払うことになるでしょうか。

<社会保険加入要件>2022年10月改定
①所定労働時間が週20時間以上(残業は除く)
②雇用期間が1年以上見込まれる ⇒雇用期間が2カ月以上見込まれる
③1カ月の賃金が8.8万円(年106万円)を超す(手当、賞与は除く)
④学生ではない
⑤従業員数が501人以上の企業 ⇒従業員数が101人以上の企業
つまり
②⇒短期の雇用でも、社会保険への加入が義務づけられた
⑤⇒「106万円の壁」の対象となる企業が、大企業からそれ以外にも広がった
ということです。

※適用の判断は事業所ごとではなく、会社全体の従業員数で行われます。
まずは、勤める会社が該当するのかどうかを調べる際には、注意しましょう。

<負担増はどれくらい?>
では、社会保険に加入した場合、どのくらいの出費になるのでしょうか? 年収106万円の場合の社会保険料は、条件によって多少異なりますが、年間約15万円になります。年収の約14%、月収の2カ月分弱というのは、軽視できない金額です。「壁」を超えた結果、額面の給料は増えたのに、手取りは大きく減ってしまった、ということが起こり得るわけです。

<社会保険への加入にはメリットがある>
ここまで、「社会保険に加入すると、経済的な負担が増える」という話をしてきましたが、デメリットばかりではありません。社会保険の加入には、仮に目先の手取り額が減ったとしても、次のようなメリットもあります。

①将来の年金額が増える
社会保険に加入すれば、将来「老齢基礎年金」(国民年金加入者が受け取れる年金)に加えて、「老齢厚生年金」の給付も受けることができます。なにかと不安な老後の生活保障が、「国民年金だけ」の場合に比べると、手厚いものになります。

同様に、「障害厚生年金」(障害を認定されたときに受け取れる)、「遺族厚生年金」(配偶者が亡くなったときに受け取れる)も、「基礎年金」にプラスして給付されます。

②医療保険が充実する
社会保険の健康保険に加入すると、次のような手当を受け取ることができます。

傷病手当金:業務外の事由による病気やけがで休業中、給与の2/3が受け取れる。
出産手当金:出産のために休業中、給与の2/3が受け取れる。

③逆に負担が軽くなるケースも
社会保険の保険料は、従業員と会社で折半します。そのため、年収などの条件によっては、社会保険への加入によって、支払う保険料が安くなる場合もあります。

私たちへのご相談に老後の年金に対する不安があると言われる方はとても多く、対策を一緒に考えるのですが、そもそも社会保険に加入しないように働き方を調整されてきた女性も多く、老後を考え始めた時に初めてご自身の公的年金の少なさにびっくりされる方もおられます。
男女の平均寿命から考えると女性にとっての老後は2つあると考えています。ご夫婦で過ごす老後と、旦那様が先立たれてからの老後。
旦那様が先立たれると多くの場合男性の方が年金収入が多く、遺族年金を含めてもご夫婦でもらっていた年金合算収入より減ることは確実です。
現在の手取りも大切ですが、社会保険によってカバーできる保障や将来の老齢年金の事も見据えて働き方も考えることも重要かもしれません。

ご不安を感じたら私たちにご相談ください。