アンジン株式会社

山陰を拠点とする成果にこだわるFP事務所

お気軽に相談、お問い合わせください

0858-24-6260
お知らせ

お知らせ

安心できる老後生活をおくるためのお金の話

2025.6.2
お金のことを学ぶ方に是非お勧めしたい本に大江英樹氏の著書がある。
残念なことに大江氏は昨年ご逝去されたが、残された本は今読み返しても知識の再確認できる名著が多い。
そんな大江氏の言っている「支出の三分法」というものがある。
シニアの必修科目であり、若い方も知っておいて損はないので紹介したいと思う。

支出の三分法とは、一般的には支出を「消費」「浪費」「投資」の3つに分類して管理する方法であるが、大江氏の三分法は支出の財源をどこからまかなうかという三分法である。
リタイア後というのは現役時代と違って収入を大きく増やすのは難しい。
収入を増やすことより支出のコントロール方法を考えたほうがいいというわけである。

では、具体的にどんな分け方になるのか。
1.「日常生活費」…食費や光熱費、税金や社会保険料など生活していく上で必ずかかる支出。
2.「自己実現費・一時出費」…趣味や旅行など人生を楽しむための費用や自宅のリフォームや車の買い替えなどの一時出費。
3.「医療・介護、および高齢者施設への入居費等」

3つに分類した支出をまかなう資金の出どころを、支出の性質に合わせて考えてみる。

1.日常生活費は年金でまかなう
2024年の家計調査報告によると65歳以上の夫婦のみの無職世帯は消費支出256,521円。
これは消費額の多い貯蓄がある世帯を含んでいるので、数万円減らすことは可能で、ある程度は自身でコントロールできる。

2.楽しむためのお金は働いて稼ごう
現在のサラリーマンは60歳で定年後も、再雇用制度などによって65歳程度まで働くケースが多い。
実際に65歳以降に働く人も増えている。
もちろん、現役時代並みに生活費を稼ぐとなるとかなりの金額が必要になるので難しいが、生活費の基礎は年金収入でまかない、旅行や好きな物を食べたりする「楽しむために使うお金」を働いて稼ぐと割り切れば、それほど難しくはないと思う。
例えば、月に5万円だけでも年間にすれば60万円。
これだけあれば旅行に行くぐらいは十分である。

3.医療・介護は保険でなく現金で
この支出は発生するかどうかが不明な上、規模もどれぐらいになるか読めない。
不確実でコントロールの難しい性質の支出だからこそ、確実に手元にある現金で備えるといい。
保険で備えるのはどうかと言う人もおられますが、公的医療保険や公的介護保険以上の民間の保険を使用するかどうかは、現金で備えられない方だけが考慮するかといいでしょう。

老後の生活が不安だという人は多い。そういう人ほど一度、支出とそれをまかなう財源のをきちんと整理し考えてみる必要があるのではないでしょうか。