アンジン株式会社

山陰を拠点とする成果にこだわるFP事務所

お気軽に相談、お問い合わせください

0858-24-6260
お知らせ

お知らせ

不屈の精神力の古賀稔彦さん

2021.3.25
古賀稔彦さんが昨日24日にご逝去されました。
53歳という早い死に残念でなりません。
古賀さん自身も無念だったと思います。

私にとって印象的な試合は1990年の体重無差別の全日本選手権です。
古賀さん(169センチ、76キロ)は71キロ級の選手でありながら、体重100キロ以上の重量級の選手を次々と破り、当時の世界チャンピオンの小川直也さん(193センチ、130キロ)との体重差54キロの決勝戦、当時10歳だった私は、小さいものが大きいものに挑む姿に勇気をいただきました。
まさに〝柔よく剛を制す〟です。

あと、忘れてはいけないのは、1992年バルセロナオリンピック柔道男子71キロ級。
古賀さんは試合の10日前、現地での稽古で弟分の吉田秀彦氏との乱取りの際に左膝の靱帯を痛め歩けない状態に。
先に78キロ級の試合があり吉田さんは全試合一本勝ちで金メダルを獲得。
翌日は71キロ級の試合、古賀さんは痛み止めを打ちテープで固定しながら出場し金メダルを獲得。
吉田さんは、怪我で柔道ができる状態ではなかった古賀先輩が優勝した瞬間、自分が金メダルを取った時以上の喜びを感じたとおっしゃっていたのはとても印象的でした。
吉田さんは、古賀さんのケガを自身の責任と感じていたようです。
帰国後、古賀さんは(ストレスで)胃潰瘍、吉田さんは骨折をしていたことも判明したようです。
この二人に絆は本当に羨ましいです。

古賀さんは現役引退後は、後進の指導や子どもをはじめ柔道の普及活動など、柔道界の発展に尽力されていらっしゃいました。


さて昨年、古賀さんとお会いする機会があり、様々なお話を聞かせていただきました。
愛弟子の谷本歩実さんとのエピソードや吉田さんとのバルセロナオリンピックのことから、お二人への愛情が伝わってきました。
古賀さんはとても気さくで、場の空気がほんわかするような、あたたかい人という印象でした。
その際の印象に残っている古賀さんの言葉を箇条書きにしてみます。


・講道館柔道の創始者の嘉納治五郎先生によって誕生した柔道の根本精神は「精力善用」「自他共栄」

・夢の実現のために大事なのは、日常生活の中で、挨拶をはじめ、当たり前のことを当たり前のようにできる自分であること

・古賀塾には幼稚園児から年配の方までいらっしゃいますが、年齢に関係なく「人の役に立てる自分」になることを、柔道を通して学んでいる

・今の自分では上手くいかないから、壁にぶつかる、その壁が自分の足りないものや必要なもの、いろいろな課題を教えてくれ、それに気づける人は、次に変化ができる人

・人の意見を十分に受け入れて、自分だったらこうするという姿勢を示すべきで、行動に自分の考えを入れなければ意味がない

・成功する人間とそうじゃない人間の違いは、体力の差でも、知識の差でもない、意志の差

・何かに挑戦するとき、必ず最初に決心してから始め、漠然と強くなりたいということではなく、「世界選手権で1位になる」「絶対にオリンピックで金メダルを獲る」というかなり具体的な決心を持つこと

心からご冥福をお祈りします。